神経質
思えば、子どものころから神経質だった。
夜になると強盗が来て殺されるんじゃないかと怖くて、
家中の鍵を確認して回り、布団の中にカッターを入れておかないと眠れなかったし、
枕元に水の入ったコップを置いていないと眠れなかった。
2階に寝ていたんだけど、1階で物音がすると、誰かが侵入してきたんじゃないかと
思って、確かめに行かないと気が済まなかった。
昼は全く気にならないんだけど、夜になると不安で不安で泣きそうだった。
お正月に、親戚のおじさんが泊まりに来て、1階に寝てくれるときだけ、安心して
眠ることができた。
1階に人がいることと、家に強い男の人がいることが良かったんだと思う。
高校の頃は、授業中にお腹が鳴るのが怖くて、1時間目からずっと、手のひらの
お腹の音を抑えるツボをずっと押していた。
授業の間の休憩時間は毎回パンを食べていて、それでもお腹の音は鳴った。
少しでも周りにお腹の音が聞こえないように、ずっと前傾姿勢だった。
今は、1Kで窓の少ない家に住んでいるので、夜中の恐怖は実家にいるときよりも少ないし、お腹の音が鳴っても全く気にならない。
ただ、違う形で神経質な部分は生活の表面に出ているし、毎日他人にイライラする。
そろそろ自分の性格に起因する生きにくさを自分一人で持っていることに限界を感じてきた。
いろいろなことをそのままに悪い方向に向かっていくのを、なにも改善せずに放置していて、その終点が見えてきた感じがする。